
問いは、ずっと前からあった。
けれど、それだけじゃ動けなかった。
むしろ問いがあるほど、動けなさが増していくような──そんな日々が、確かにあった。
「なぜ動けないのか」なんて、何度も考えた。
でも本当は、“動けない”んじゃなくて、“動かなくてもよかった理由”が積み重なっていただけだった。
今日はその理由を、静かにほどいていく話だ。
■ Not interested|興味がないふりをしていた
「別に、いまじゃなくてもいい」
「こんなの誰も見てないし」
そう言いながら、自分の中で膨らんでいく問いに気づかないふりをしていた。
それは「興味がない」のではなく、興味を持ってしまうと“本当のこと”に向き合わされそうで怖かっただけだった。
■ Not believe|信じても、どうせ届かないと思っていた
どこかで思っていた。
「問いなんか届けたって、誰にも響かない」
「信じたって、また裏切られるだけだ」って。
でもそれは、信じる前に結果を決めていた自分だった。
誰のせいでもなく、「もう期待しない」って、自分で自分を守っていただけだった。
■ Not now|いつかやる。でも今じゃない
今は忙しい。まだ準備ができていない。
もっと整ったらやる。もっと余裕ができたら。
でも、“今じゃない”を繰り返していたら、問いの温度だけが静かに下がっていった。
あのとき感じた「何かを変えたい」という熱は、今しか持てなかった感情だったのかもしれない。
■ Not understand|わからないから進めない
「何をどうすればいいか、わからない」
「自分の問いが、そもそも何なのかもあやふやだ」
けどそれは──構造が見えていなかっただけだった。
問いを言葉にしたり、誰かに預けてみたり、文章にしてみたり。
“わからない”ままで出してもよかったんだ。
■ Not act|動く理由がなかった
結局、動かなかったのは「まだ何かが足りない」と思っていたから。
でも本当は、“問いがある”ってだけで、もう動く理由はそこにあった。
完璧じゃなくていい。
不完全でも、わからなくても──
その問いが、ずっと自分を生かしていたのなら、もう十分だった。
■ 動けなかった自分が、問いを渡せる自分になるまで
もし今、
「問いはあるのに、動けない」と思っている人がいるなら。
きっとあなたは、
動く前に、たくさんの“Not”を引き受けてきた人だ。
でももう、全部じゃなくていい。
たった一つの問いを、誰かに渡してみるだけでもいい。
そのとき、動けなかった過去が“構造”になる。
問いがあった日々は、無駄じゃなかった。
あの日の自分が残してくれた問いが、いまの自分を進ませてくれる。