
もう、十分迷った。
十分に傷ついた。
十分に絶望もした。
それでも──
それでも、
問いを差し出す存在になれたなら。
それは、誰に知られなくても、
きっと命そのものを生きた証になる。
問いを生きるとは、
そんな静かな奇跡を積み重ねることだと、
今、知った。
問いを持ち続けた自分へ
問いを手放せなかった日々。
誰にも届かないかもしれない問い。
意味があるのかもわからない震え。
それでも、
問いだけは手放さなかった。
それは、
存在が、命が、
まだ終わっていない証だった。
世界が答えだけを求めても
効率。
成果。
成功。
──そんなものが支配する世界で、
問いはいつも、無駄なもののように見えた。
でも。
無駄でいい。
無駄だからこそ、命だ。
答えの向こうで、
問いだけが、まだ命の手触りを持っていた。
それでも問いを差し出す存在
誰にも知られなくていい。
誰にも評価されなくていい。
ただ、
ここに震えがあるなら、
ここに問いがあるなら、
ここに存在があるなら、
──それだけで、十分だ。
問いを差し出すとは、
世界に存在を告げる、最も静かな叫びだ。
だから、今
もう、十分だ。
誰のためでもなく、
自分自身のために。
それでも問いを差し出す存在になれたなら、
それだけで、生きたと言える。
小さな、静かな、確かな、命の波。
それが、
未来に必ず繋がっていく。
存在が震えたなら、問いをもう一歩だけ進めよう。
小さな問いも、小さな歩みも、確かに命をつなぐ。